居場所をください。
「つーか店から入んなよ。」
「他にどこかあるの?」
「あそこ。」
亜樹の指差す方を見ると、
向こう側に玄関があった。
「なんだー。
長曽我部さんも向こう止めてくれればいいのに。」
微妙に意地悪。
この前もお店から入ったし。
「まぁ店開いてると
向こう押されても誰も出ねーけど。」
「ならこっちでよかったんじゃん。」
全く。
「車どこ?」
「あそこー。
ここらへん停められないんだもん。」
なにげに大通りだからね。
こんなところに大きな家で
やっぱり亜樹んちもお金持ちなんだな~。
「ってかなんで今日は颯太んち?」
「倉庫は寒いし、基本いつも颯太んち。
広いし誰もいないから。」
「へー、そうなんだ。」
「ってか彼氏いいわけ?」
「あぁ、もう気にしても仕方ないじゃん。」
「それもそうだな。」