居場所をください。



「つーか店から入んなよ。」


「他にどこかあるの?」


「あそこ。」


亜樹の指差す方を見ると、

向こう側に玄関があった。


「なんだー。

長曽我部さんも向こう止めてくれればいいのに。」


微妙に意地悪。

この前もお店から入ったし。


「まぁ店開いてると

向こう押されても誰も出ねーけど。」


「ならこっちでよかったんじゃん。」


全く。


「車どこ?」


「あそこー。

ここらへん停められないんだもん。」


なにげに大通りだからね。

こんなところに大きな家で

やっぱり亜樹んちもお金持ちなんだな~。


「ってかなんで今日は颯太んち?」


「倉庫は寒いし、基本いつも颯太んち。

広いし誰もいないから。」


「へー、そうなんだ。」


「ってか彼氏いいわけ?」


「あぁ、もう気にしても仕方ないじゃん。」


「それもそうだな。」



< 1,684 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop