居場所をください。
「よう、亜樹。」
「久々。」
車に戻ると
亜樹は迷わず助手席へ座った。
私は後ろで一人。
「そんなに久しぶりでもないだろ。」
「そうだっけ。」
「一ヶ月ぶりくらい。」
「久々じゃん。」
「いや、それまでは何年も会ってなかったろ。
亜樹もいつの間にか高校生になってるし。」
「ひかるくんもいつの間にか離婚してるし。」
「うるせーよ。」
……………なんだか仲良しだね。
さすがいとこ。いや、私もだけどさ。
まぁ二人は子供の頃から一緒だもんね。
でもやっぱり似てるね。
性格が。
さすが長曽我部一族だ。
「美鈴?」
「ん?」
いきなり長曽我部さんが私に話しかけた。
「どうした?いきなり黙って。」
「ううん、二人の観察してただけ。」
「へぇ、面白い?」
「面白いよ。」
「へぇ。」
「あ、そこ右。」
「え!?あ!ばか、おせーよ!」
「のんきに喋ってるからだろ。」
どうやら通りすぎたようです。
「じゃあ次右に曲がって。」