居場所をください。



「……亜樹がそんなこと言うなんて珍しいね、随分。

私よりその子なの?」


「事実を言っただけ。

結局悠斗と仲良くする女が気に食わねーだけなんだろ?」


「なんだ、そんなこと?

なら私悠斗と関わるのやめるんでご安心を。」


ほんっとめんどくさい。こういう女。


「じゃあ帰ってくんない?

本当場違い。」


「は!?」


私が答える前に颯太が反応した。


「はいはい、わかりました。」


「えぇ!?ちょ、待った!」


「ごめんね、颯太。」


私はコートを持って立ち上がった。


「またね。」


私は颯太に笑顔で言って部屋を出ようとした。


「おい華。いい加減にしろよ。」


そういうのはいつもと雰囲気の違う声を出す颯太。

思わず私は振り返った。


「颯太…?」


華とか言う子も不安そうな声を出し、颯太を見た。


「それが仕事で疲れてる人に言う言葉かよ。

嫌ならお前が帰れよ。誰も呼んでねーよ。

勝手に来たくせに好き勝手言ってんなよ。」


……………颯太?



< 1,690 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop