居場所をください。



「さっさと立てよ。」


そういって華さんの腕を掴む颯太。


「いったい…!痛いってば!」


「颯太、落ち着けよ。」


さすがに悠斗も止めるけど

颯太が止まることはなかった。


「ちょ、颯太!」


私は思わず颯太に駆け寄った。


「腕離して。」


「み、すずちゃん…」


「ね、離して。」


私がそういうと颯太は華さんを離した。


「私は大丈夫だから。

そんな怒んないの。」


「……………ごめん。」


「謝る相手が違うよ?」


「……華、悪い。

悠斗も。」


「……………はい、颯太にプレゼント。」


「え?」


「クッキー焼いたの。

よかったら食べてね。」


長曽我部さんのついでだけど。

ごめん、ついでで。


「あ、ありがと。」


「じゃあまたね。」


「ほんとに帰るの?」


「うん。

実は明日3時起きなんだ~。

だからどっちみち長居はできなかったの。

ごめんね?またあそぼ。」


「そっか、わかった。」


「じゃーね。」


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