居場所をください。
「……………帰るわ。」
「おう、じゃーな。」
やっぱそれが聞きたかっただけかよ。
俺は店を出て家に歩き出した。
期待を持たせるねぇ。
そりゃ彼氏いねーやつならいいだろうけど。
「亜樹!」
あ?
……………どこ。
「亜樹!ここ!」
「……なんだ、ひかるくんかよ。」
車を停めて、ひかるくんが降りてきた。
「なんだじゃねーよ。
高校生がこんな時間に出歩いてんなよ。」
「親みたいなこと言ってんなよ。」
「で、なに考えてたんだよ。」
「別に。」
「乗れよ。送ってくし。」
「いや、もうそこなんだけど。」
「高校生が出歩いていい時間じゃねーんだよ。
さっさと乗れ。」
「はいはい。」
俺は大人しく車に乗った。