居場所をください。
「……………え?」
長曽我部さんが入ったのはテレビ局。
「あれ、昨日が仕事納めじゃ……」
「それは、今日がバラしになったら
って話だろ。
誰がバラしと言った?」
「え、じゃあ……」
「ほら、ウィッグとれ。」
「え!ちょ、勝手に取らないでよ!」
私はすぐネットも取り、
髪の毛をきれいにした。
「あんまり癖ついてなくてよかった~。」
「佐々木が待ってる。
行こう。」
「うん!」
私はまた長曽我部さんの腕を掴み、
長曽我部さんについていった。
"五十嵐美鈴様"
楽屋前に貼られた自分の名前を見て
本当に私なんだぁ、と改めて実感した。
「支度ができたらすぐに声だしな。」
「うん!」
私は長曽我部さんと別れて楽屋に入った。