居場所をください。
「ところで私、なに歌うの?」
「For you」
「あ、そうなんだ。」
「で、いつんなったら離れるんだ?」
「えー、いいじゃん。
嬉しいでしょ?」
「……………あほか。」
「ほら、その間!
図星だ~。」
「調子のってんな。
そろそろ出番だろ。」
「え、もう?」
「いや、わかんねーけど。」
「どんだけ適当なの。」
でも、新人賞は早めに呼ばれるはず。
なんなら大賞候補はまだ姿も現さないから。
きっと私はもう少しだ。
「五十嵐美鈴さん、お願いします。」
ほら、もう呼ばれた。
ってか私だけ?
新人賞って何人かいたはずなのに?
「行ってこい。」
「うん!」
私は微笑む長曽我部さんに笑顔で返し、
スタンバイ。