居場所をください。
腹筋を350回して、
着替えて化粧もしてウィッグもかぶって
荷物を詰めて……
うん、いいでしょ。
「長曽我部さーん!」
「なんだ、うるせーな。」
「どう?大人っぽい?」
「まぁ少しはな。」
「少しー?まぁいいや。」
「ほらよ。」
私は長曽我部さんにハットをかぶらされた。
「モデルっぽい。」
「はは、ならいっか。」
「荷物は?」
「もう玄関置いたよ。」
「じゃあ行くか。
予定より少し早いけど
観光もしたいだろ?」
「うん!ところでどこ行くの?」
「伊豆。」
「静岡県かぁ、初めてだ。
楽しみ。早くいこ!」
「はいはい。」
「あ、ねぇ、ヒールでも平気?
歩きにくいとこいく?」
「ヒールしかないだろ?
歩きにくいところは行かなきゃいいよ。」
「ありがと。
よし、行こ!」
私は履いてきていたショートブーツを履き、
部屋を出た。