居場所をください。



腹筋を350回して、

着替えて化粧もしてウィッグもかぶって

荷物を詰めて……


うん、いいでしょ。


「長曽我部さーん!」


「なんだ、うるせーな。」


「どう?大人っぽい?」


「まぁ少しはな。」


「少しー?まぁいいや。」


「ほらよ。」


私は長曽我部さんにハットをかぶらされた。


「モデルっぽい。」


「はは、ならいっか。」


「荷物は?」


「もう玄関置いたよ。」


「じゃあ行くか。

予定より少し早いけど

観光もしたいだろ?」


「うん!ところでどこ行くの?」


「伊豆。」


「静岡県かぁ、初めてだ。

楽しみ。早くいこ!」


「はいはい。」


「あ、ねぇ、ヒールでも平気?

歩きにくいとこいく?」


「ヒールしかないだろ?

歩きにくいところは行かなきゃいいよ。」


「ありがと。

よし、行こ!」


私は履いてきていたショートブーツを履き、

部屋を出た。


< 1,763 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop