居場所をください。
「大荷物だな。」
「だって一昨日からいたし
昨日買い物もしたし。
女の子だし。」
「最後の意味不明だけど
まぁ車だからいいけど。」
荷物を長曽我部さんに載せてもらって
私は助手席に座った。
パソコンと、ファンレターたちが入った鞄をもって。
「さて、行くか。」
「うん!」
初旅行だよ!
SNSに書きたいけど
行く人が長曽我部さんだけだから
安易なことがかけなくて残念。
しかもこの見た目、写メれないし。
「そういえば隼也は
なんで明日夕方からがいいって言ったの?」
「あー、貴也んとこ行くんだと。」
「ふーん。」
また会うのか。仲良しだね。
ほんと、私だって会おうと思えば会える距離。
家の場所だって、きっと知ろうと思えばわかる。
だけど……"振られたいのか?"
と長曽我部さんに言われたから
私には会うことはできない。
私だけ。