居場所をください。



"不安も多いです。

友達の作り方とかわからないし……

またいじめられるんじゃないか、

という不安もあるんです。

見知らぬ街に、期待と不安が交差しています。


美鈴ちゃん、こんな弱虫な私に

元気と勇気をください。


こんな手紙でごめんなさい。

弱音をはける人がいなくて、

いつも私は美鈴ちゃんの歌に励まされているので

美鈴ちゃんにしか言えなかったんです。


みんなに愛されている美鈴ちゃんが羨ましいです。

私も美鈴ちゃんみたいになりたいです。"



いじめ、か。



「どうした?」


「ん?

私はみんなに愛されてて羨ましいんだって。」


「無い物ねだりか。」


「みんなに愛される必要なんてないのにね。

愛されたい人に愛されてれば

それで十分なんだよね。」


「そうだな。

あとはいかに自分の周りに

多くの人がいるか、気づけるかだな。」


「うん。」


独りの人間なんてなかなかいない。

独りでなんて、絶対生きていけないもん。

今そこに在るものに気づけるかどうかだよ。



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