居場所をください。
その日の夜ー
私は高橋と安定の焼き肉へ来た。
「あー、ずっと食べたかったの。」
「それはよかったな。」
いつも高橋がお肉を焼いてくれるから
私は食べるだけ。らくだ。
「で、話あるんじゃねーの?」
「うん。
夏音ね、アイドルになるんだってさ。」
「は?アイドル?」
「私の想像だけどね
夏音本当は高橋のこと好きだよ。」
「……………は?」
「うちの事務所、アイドルは全員
恋愛禁止なんだ。
もしかしたら私が知るもっと前から
夏音はアイドルとしてやっていくことが
決まっていたのかもしれない。」
「……………まさかぁ。」
「私はそう信じてるよ。
夏音は今本気で私のことを嫌ってるなんて
そっちの方が信じられない。
高橋だって…私より夏音の事知ってるでしょ。
夏音は誰かを傷つけるような子じゃない。
だから余計に言えなかったんだよ。
別れたいって。
で、たまたま会った颯太に相談した。
颯太のことが好きなんて絶対嘘。
って言うか好きなんて一言もいってないしね。
高橋と別れて、転校することが決まって
やっとできた友達とも離れ離れでしょ。
いろいろストレスだったんじゃないかな。
だけどそれを吐けるとこがなくて
颯太にしか頼ることができなかったのに
颯太は私を優先させた。
私は私に告白してきた朔也とか隼也とも
仲良くやってるのに夏音は高橋に突き放されて
私は夏音が昔から好きだった貴也と付き合って
私は長曽我部さんと出会って、売れて
夏音は長曽我部さんに切られて
そういうの全部引っくるめて私を妬んでたんだよ。
全てが順風満帆な私が憎くて仕方なかったんだよ。」