居場所をください。



「あとね、たぶんだけど

夏音ってお兄さんのこと大好きなんじゃない?」


「え?あー、そうだな。

よく一緒に買い物も行くらしいし。」


「やっぱねー。

お兄さんも私のこと好きだから

余計に私が嫌だったんだよ。

お兄さんとよく私の話してたんじゃないかな。

美鈴ちゃんって。」


「…………で、何が言いたいわけ?」


「私はまた夏音と友達になる。

私は歌手人生も夏音も犠牲にはできない。」


「うん。で?」


「あんたは夏音の友達になりなさい。」


「はぁ?」


「はぁ?じゃないよ。

友達になれっつってんの。」


「なんか急に言い方きつくなったな。」


「夏音に勝負挑まれたの。

私はきれいに負けてくるから

あんたは夏音の友達になりなさい。」


「……………はぁ。」


「なにその頼りない声。」


「きれいに負けてくるってなに。」


「オリコンで私より上にいくんだってさ。

だから私はオリコンで下位をとる。

とりあえずね。」


「とりあえず?」


うん、とりあえず。




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