居場所をください。
「で、これ。
初日のチケットね。
朔也とでも来なよ。
埼玉だから近いし。」
「おう、さんきゅ。
いい席?」
「んなわけないでしょ。」
「だよな。
美鈴がくれるチケット
いっつも遠い席だし。」
「関係者席の横が一番盛り上がりに欠けるから
そこにファンの子座らせたくないからね。」
あそこには会社の社員が来る。
しかも仕事の合間をぬって。
だから出入りもかなり激しい上に
長曽我部さんみたいな上の人たちが
私を監視しに来ているだけだから
全くといって盛り上がっていないところなのだ。
「本当は招待席っていうのもあるんだけど
そこは他の席と隔離されてるから
隼也が座るしね。
ってことで高橋たちはそこ。」
「まぁどこでもいいけどな。」