居場所をください。
「ぜんっぜん意味がわからないんだけど。」
「さっさと肉食べなよ。
焦げるよ。」
「え、あ。」
「早く早く~。」
「なら自分で焼け。」
「高橋が焼いた方がおいしい。」
「どんだけ調子いいんだよ。」
「調子いいです。」
「ってかさ」
「ん?」
「結局敗けるんじゃなくて勝つんだろ?」
「…………勝つこともあれば負けるこどある。」
「結局美鈴は全て勝つんだろうな。」
「私は自分を試すだけだよ。
むしろ、いい機会をくれたなって。
今までやったことないことをやるよ。」
それがどっちに傾くかは私が決めることじゃない。
私を支えてくれているファンのみんなが決めること。
「それにしても本当女ってめんどくさい。」
「なんだよ、急に。」
「一高にいた頃も思ったけど
なんでいちいち他人と比べて
自分より優位にたってるやつを蹴落とすのかなー。
ばかじゃないの。
上のやつを落とすことを考える前に
自分が這い上がれよって感じ。」
「……………美鈴がそういう言葉遣いになるの
俺の前だけじゃね?」
「高橋だとなんにも気を使わないから
ほんっと楽。」
「俺の前でも女でいようとか思わないわけ?」
「いや、バリバリ女ですけど。」
「ぜんっぜん女って意識できないわ。」
「とりあえず
人の不幸ばかり考えて
自分の幸せ忘れてる人には絶対負けない。
私は絶対幸せになってやる。」
「……………負けるんじゃなかったのかよ。」
「私はなにも犠牲にしたくないだけ。」
「だから意味わかんねーって。」
「高橋はバカだからね。」
「美鈴に言われたくねーよ。」
「あー、こんな食べたら絶対太る。」
「お前が芸能人じゃなかったら
もう少し太れよっていう感じだけどな。」
「女子ウケはいいけどね。」