居場所をください。



「あとちょっと音声とりたいんだけど。」


「なんの?」


「会場内は基本的に携帯、スマホの使用は禁止。

始まる前もな。

写真を撮る可能性があるから。

その理由でカメラは入り口で預かることになってる。

それは公式でもう発表されてるけど

一応会場外で美鈴の声で流そうかと思って。

その方が聞き入るだろ。」


「なるほど。

でもなんで撮影禁止なの?」


「ライブっていうのは多くの人の協力があって

形になるものなんだ。

美鈴はよくてもステージをデザインした人

ライトの当て方を決めた人

映像を作った人

それを流出させるには多くの人の許可がいる。

だからこっちも出来る限りの対策をしなきゃならない。

それを踏まえた上でみんな協力してくれてるんだ。」


「なるほどね。

わかりましたー!」


「まぁそれは会社へ戻って録音しよう。」


「今はダメなの?」


「いや、だって雑音入るだろ。」


「逆にみんなでいれるの。

っていうか毎回違うアナウンスの方が

ちょっと楽しくない?

だから例えば初日が私なら

次の日は瞬とか。」


「あー、なるほどな。

確かに楽しいかもな。」


「でしょ?

ってことでレコーダー持ってきて!

みんなのところ行こ!」




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