居場所をください。
「いいなぁ、おしりきれいで。」
「ちょ、どこ見てんの。」
「若いっていいな。」
「……………毎日ヒールはいてるからじゃない?」
「まぁそれもあるだろうけどさ。
あと細いし。
美鈴ちゃん見てると自分が惨めになってくるよ。」
「佐々木さんだってきれいじゃん。」
「……………ありがとう。」
お世辞じゃないのに。
「よし、声出ししてこよ。
佐々木さん、またあとでね。」
なんだか今はあんまり緊張してない。
ここになれたのかも。
「あ、美鈴ちゃん
支度できた?」
ちょうどそこに佐藤さんが来た。
「うん!」
靴もはきかえて、
すっかり私は五十嵐美鈴となった。
「じゃあ行こ。
みんなで気合いいれに。」
「うん。」
私は佐藤さんと手を繋いで
この暗闇を歩いた。