居場所をください。
「緊張する?」
「んー、なんか大丈夫。」
今のところは。
明るい道につくと
佐藤さんは手を離した。
いつもは長曽我部さんが
直前までいてくれるから
なんか変な感じ。
「あ、来た。」
「ごめんね、お待たせ。」
私は長曽我部さんの横にたち、
反対側の隣には佐藤さん。
そして周りには準備の整った、みんな。
いよいよ、か。
「とにかく楽しんで、私たちの軌跡を今日から
残していきましょう。
間違えてもね、もう知らないふりして
自分は正しいですよ、という風に
何事もなかったように演じてください。
来てくれた方々みんなが笑顔で帰れるように。
それでは…「「「The show must go on!!」」」
私たちはいつもの掛け声をして、
それぞれの場へと向かう。
私はステージ下。
「あと何分?」
「あと10分。
少し時間があるけど
バンドさんのスタンバイと
ダンサーズの準備が整ったらだから
時間ぴったりにスタートかな。」
私は長曽我部さんと手を繋ぎ、
セリの元へと向かう。