居場所をください。



「えーと、

初めて来た人ー!」


私がそう言うと


『はーい!』


と手をあげてくれるたくさんの方。


「あ、どうも初めまして。

五十嵐美鈴です。」


とりあえず挨拶をしておいた、


「はじめましての人が多いよね?

私まだ全然ライブとかしてないし。

まぁこのツアーでね、

私を知ってくれる人がたくさんいてくれたらいいな。」


うん。

……………。


「と、いうことで。

MCのお二人を呼ぼうかな。

私のライブに来たことがある人はもうお馴染みだけどね。


ハルー!ユリ姉ー!」


「「ハイハーイ!」」


本当、この二人がいないと

MCは辛い。


「どうも、ダンサーのユリです。」


とユリ姉はいつも通りの挨拶。

毎度違うのはこの男。


「初めまして、ハルです!」


……………なんだろう、なんか違う。

普通なんだけど、普通じゃない。


「美鈴ちゃん、それ誰かのマネなんだけど

誰だかわかる?」


とユリ姉が言った。


「え、誰ー?」


私が首を傾げていると


「え、美鈴わかんねーの?」


「え、本当にわかんない。」


絶対似てないでしょ。


「これね、大谷隼也くんの真似だって。」


は?隼也?


「……よくそのクオリティで披露しようと思ったね。」


「俺的にはかなりイケてると思ったのに!!」


どこが。


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