居場所をください。
「あのねー、意外とこっちから
よく見えるよね。」
ユリ姉が客席を見渡しながら言った。
「うん、結構ちゃんと見えるよ。」
遠いのにね。
こんな広いのにね。
『そろそろ次行って。』
「ということで、
本当はもうちょっと質問やりたいけど
今日はちょっとほかにもやりたいことがあるから
質問はこれで終わりね。」
「雑!!」
長曽我部さんから指示が来たから
今日は私しかイヤモニしてないし
私が締めるとハルに突っ込まれた。
「今日はね、実はサプライズがあるんだ~。
喜んでくれるかはわかんないんだけどね。」
「じゃあ俺とユリ姉で
あれを持ってきまーす!」
そう言うと二人はステージ袖へと向かった。
「二人で運べるの?」
やっぱり運べないらしくて
スタッフさん二人も巻き込んでいる。
あ、繋げなきゃ。
「今回はね、せっかくの全国ツアーだから
できれば一人でも多くふれ合いたいなーと思って
用意したのがあるんだ~。」
早く来い、二人とも。