居場所をください。
「あ!小林くん!!」
それは栞奈の彼氏で、今年度
北海道へ引っ越した小林くんだった。
私の声に小林くんがこちらを向いたので
私は立ち上がって手を降った。
「え、美鈴ちゃん!?」
「うわー、すごい偶然!
ここでバイトしてるんだぁ。
こんな広い北海道で会えるなんてね。」
「え、え、本物…?」
「はは、本物だよ~。」
「美鈴ちゃん、知り合い?」
私の前に座るハルが
不思議そうに聞いた。
「中学の後輩で、施設の子の彼氏。
元々東京の子なの。」
「へー、そうなんだ。
すごい偶然だね。」
「あ、高梨さんすみません。
どうぞ、注文してください。」
すっかり邪魔をしていた。
私がスタッフさんに声をかけると
注文を再開した。