居場所をください。
そう頭を悩ませていると突然
「いてててて…!」
私の腕が解放された。
かと思えば私の肩に腕が回され
かと思えば今度は誰かの胸にぽふっとハマった。
「この子になにか?」
………誠くん?
あ、顔をカバーしてくれてるのか。
でも………この体勢はかなり恥ずかしい。
抱き締められてると言っても過言ではない、かも。
「なんだ、テメェ
………いててて!
くそっ!」
「調子乗ってんなよ!」
そんな声が聞こえるけど
いったいどうなってるのかはわからない。
「もういいよ。」
そんな声と共に頭にポンと手が乗った。
顔をあげればやっぱり誠くんで
「あ、ありが「なにしてんだよ」
お礼を言おうとすれば
今度は横から違う声。
「なんで美鈴を抱き締めてんの?」
そこには当然貴也と明奈ちゃんがいるわけで……
貴也はものすごーく怒ってらっしゃる。
「ち、違って…「帰るぞ。」
貴也はそういって
私の腕を掴んで歩き出したから
「ちょっと待って!」
仕方ないから大きな声で呼び止めた。