居場所をください。
「………なに。」
「誠くんはナンパから助けてくれただけ!
私この顔のままだったから
見られちゃ困ると思ってたら
誠くんが顔を隠してくれたの。
片手で私の顔を守ってくれて、
片手で追い払ってくれたの。
だからそんな怒らないで。」
「………わかったよ。」
「はい、じゃあ誠くんに謝って。」
「は?なんで?」
「怒ってたからに決まってるでしょ。」
「いいよ、美鈴ちゃん。
これでおあいこってことで。
な、貴也。」
「………もう次はねーからな。
もう美鈴に触んなよ。」
「はいはい。」
「あ、忘れてた。」
自販機のところに買ったお茶
置きっぱなしにしちゃったよ。
変な邪魔が入るから。
「ちょ、どこ行くんだよ。」
そんな声が聞こえるけど無視無視。
とりあえずお茶だよ。
結局緑茶しかないけどいいかな。
「はい、これ。
どうぞ。」
結局買った2本は
誠くんと明奈ちゃんに渡した。