居場所をください。



「はいはい、次は私が美鈴ちゃんと話すから。

誠と貴也は前を先歩いてて。」


「はぁ?」


「わかったよ。」


今度は聞き分けのいい貴也。

誠くんを連れて先にあるいてくれた。


「ありがとね、貴也貸してくれて。」


「どうだった?」


「うん、フラれてスッキリしたかも。

それより、貴也が嫉妬しまくりで

なんかちょっと引くくらい。」


「はは、いつもはあんなんじゃないんだけどね。」


「そんなことないよ。

美鈴ちゃんの前では隠してるだけ。

この前だって、美鈴ちゃんが

違う男とキスしてるの見たからか

狂ったようにキレてたし。

自分だってキスしてきたくせにね。」


「……なんでも聞いてるんだね?」


「ううん、最近だよ。

私と誠が付き合いだしてから。

それまでは全然貴也とはそういう話してなくて。

誠は色々知ってたみたいだけどね。

私はよくわかんない。」


「そっかぁ。」



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