居場所をください。
「美鈴?」
突然聞き覚えのある声がしたから
サングラスをとって振り返ると
「あれ、弘希。」
弘希が立っていた。
その前には二人の大人。
「どうしたの?弘希。」
それは見覚えのある
とっても綺麗な女の人と
「……美鈴?」
長曽我部さんだった。
「…………はい、美鈴です。」
「なんでそんな固いんだよ。」
「や、別に…」
だって
長曽我部さんが女の人といるところ
初めて見たから。
「あ、五十嵐美鈴さん?」
「あぁ、そう。」
そうやって美しく優しく微笑むのは
きっと…いや、絶対
弘希の母親で、長曽我部さんの元嫁だろう。
「………あ、
五十嵐美鈴です。
いつも長曽我部さんにお世話になってて
弘希のお世話をしてます。」
「おい。」
弘希に突っ込まれるけど
弘希のお母さんは優雅に笑っていた。
この人がお巡りさんなんて。
誰が信じられますか。
モデルかなにかの間違いじゃなくて?
すっごい優しそう。