居場所をください。



「………なんか、きつそうな人だったな。」


しばらく歩いてから

高橋がそう呟いた。


「やっぱり私は嫌われてそう。」


「なんで?」


「あの二人離婚してるんだけど

その原因が私だから。

長曽我部さんの妹が原因なの。

本当はまだ想い合ってるんだってさ。」


「でも、美鈴は直接的な関係はないんだろ?

会ったことないなら。」


「まぁそうかもだけどさ

元々私なんかいなければ

離婚することもなかったのに

って思ってるかもしれないじゃん。

私は正式な長曽我部さんの妹じゃない。

ただ血が繋がってるだけ。

嫌われて当然なのかも。」


「それでも美鈴に責任はねーよ。

お前が生まれてきたことだって

あの人の妹だって

それは美鈴が決めたことじゃないだろ。」


「そうだけどさ」


「ってか離婚してんのに会うか?普通。」


「まぁ弘希は長曽我部さんを

本当の父親だと思ってるくらい

本当に仲良しだしね。

弘希のためでもあるだろうし

お互い想い合ってるんだから

そういうこともあるんじゃないの?」


「ふーん。

大人ってよくわかんねーの。」



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