居場所をください。
私がまたくだらないことを考えてると
今度は長曽我部さんが口を開いた。
「前に、探してた妹が見つかったって言ったじゃん。
その妹が美鈴だったんだよ。」
「え?え、この子?」
「そう。」
………なんだろう。
そんな意外?そんな目を見開くこと?
私が妹だったらそんなに嫌なんだろうか。
「へぇ…そうなんだ。」
私を見る目が変わったことが
嫌で仕方ないのはなんででしょうか。
「………あ、貴也から早く帰れって言われてるから
私もう行くね。」
「あぁ、そうだな。
足止めして悪かったな。」
「失礼します。」
とりあえず逃げたくて
私は弘希のお母さんに頭を下げた。
「明日は9時に迎えいくから。
雑誌撮影からだからスッピンでいいよ。」
「あー、うん。
わかりました。
それじゃ。」
業務連絡だけして
私はもう一度頭を下げて
弘希にもアイコンタクトを送り
その場を去った。