居場所をください。
「え!?いや、別に…」
あぁ、これじゃさっき矢島くんに言ったのと
同じセリフじゃないか…
「ちょい来て。」
「え!ちょ、貴也!」
今のシーンがOKだったのかも確認する暇なく
私は貴也に連れ出された。
で、結局私は貴也の楽屋に連れ込まれ、
鍵まで閉められた。
「次、貴也たちのシーンだけど…」
「いいよ、別に。それより、
俺にもキスして。美鈴から。」
「え!?」
「早く。」
なんかいつもの貴也と違うし、
撮影押すわけにもいかないから
私は貴也にキスをした。
ちょっと怒り気味だった貴也も、
たったそれだけのことで怒りなんか消えてて
もう、私を優しく抱き締めていた。
そんな時間が心地よくて
私も夢中になってキスしてたのに
ドンドンドン!
とドアを叩く音と
「貴也ここか?」
という加藤くんの声に、私たちの唇は離れた。
「ほ、ほら…貴也の番…」
私がそういうと貴也は舌打ちをして
私にまた軽いキスをして
「またあとでな」とふわりと笑って
スタジオへ戻っていった。
やっぱり、矢島くんとするものとは
全くの別物で………
今なら最高な歌が歌えそうな気分。