居場所をください。



「美鈴ちゃーん!!」


私たちが舞台袖へはけようとしたとき、

一際大きな声が私の耳へ届き、

客席を目に向け声の主を見つけると

どこかで見たことある顔が。


んー、誰だっけかな。

とりあえず手を振っとこ。


どこかで会ったんだよなー…。


「知り合い?

手振るなんて珍しいじゃん。」


袖へはけたとき、貴也が隣に来た。


「んー、どっかで会ってるんだよね。

誰だっけかなー。」


「でも試写会のチケット当てたか

転売されたのを買ったかってことは

美鈴のファンなんだろうな。

友達なら覚えてるだろうし。

ただ単に街で話しかけられたとかじゃねーの?」


「んー、そうなのかなー。」


あー、なんかモヤモヤする。

思い出せない。


「お疲れさま。」


そんなことを考えながら

控え室へと戻ってきた。


「ねぇ、佐藤さん。

この試写会ってどういう人が来てるの?」


「んー、出演者の招待客が半分

あとはネットで応募って感じかな。

招待できるのは出演者一人につき一人だけ。

応募は同伴者1名までだったかな。

だから二人で来てれば応募当選者だし、

一人で来てれば招待客。」


………ってことは出演者の招待客かな?

あの人の両サイドはもう立ち上がってたし…



< 3,583 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop