居場所をください。



マンションについた俺は

急いでて部屋へと向かった。


………でも、そこには美鈴の靴ではない

別の見慣れた女物の靴。


俺はまた早足でリビングへ入った。


「あ、おかえりー。」


「……なんでいんの?」


リビングにはやっぱり、里美と弘希の姿。

約束なんて、してねーはずなのに。


「なんでってご飯。

今日休みなんだ~。

弘希迎えに行って、そのまま来たの。」


………連絡くらいしろよ。


「…美鈴は?来てるはずなんだけど。」


「あぁ、あの子ならさっき帰ったよ?」


「は?帰った?」


「父さん、ちょい来て。」


俺と里美が話していると

弘希が俺を連れてリビングを出た。


行き先は最近また美鈴の部屋化してる空き部屋。

………だけど、その部屋は

美鈴の部屋から、また空き部屋へとなっていた。


「母さんが言ったんだよ、あいつに。

二人がやり直すことも、ここに住むことも。

母さん、今日ここの部屋見て

美鈴の私物が少しあったから

俺の部屋がないって言って

それを美鈴にも言ったんだよ。

で、これ。

美鈴、この部屋の荷物持って出てった。」


…まじかよ。




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