居場所をください。



私は下を向き、そんなことを考えてると


「おい」


亜樹に腕を掴まれた。


「…………え…」


「信号赤。前見て歩けよ。」


亜樹はそういって私の腕を離した。


「…あ、ごめん…」


今、腕を…………


「…………おい、もう青だけど。

さっさと歩けよ。」


そういって先に歩く亜樹を

私は走って追いかけた。


「亜樹!」


「なんだよ」


「腕、もう一回掴んで。」


「はぁ?」


「いいから」


私がそういうと亜樹は渋々

私の腕を掴んだ。


「で、なに」


「…………やっぱり平気…」


「は?」


「あ、ごめん。

なんでもない。ありがと。」


「さっさと歩けよ。」


…………なんで?

亜樹は平気で貴也は嫌って…

……そういえば長曽我部さんに触られても

全然怖くなかったし…

血が繋がってるから?

どうして………


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