居場所をください。
「ちなみに年末特番用の撮影で
インタビュアーというか潜入犯的な役目が
隼也なわけ。」
「バラエティってこと?」
「ううん、美鈴ちゃんのドキュメンタリー。」
「え、私のドキュメンタリー?
なにそれ。」
「美鈴ちゃんのことを聞き出すなら
ってことで、隼也と貴也が抜擢されたの。」
「え、じゃあ貴也は隼也側なの?」
「まぁそうだね。」
「………ってことは今から仕事ってこと?」
「そういうこと。
でも佐々木はいないから
私服のままでいいよ。」
「え、これ!?」
「うん。
貴也もあのまま座るしね。
放送は12月中旬だけど
ベストアルバムの宣伝もお願いね。
貴也は番宣もあるし
あ、ライブの宣伝もしてね。」
「………はぁ…」
「あとで長曽我部さんも来るから。
はい、座って座って。」
座ってって、うちのソファだけど。
なんでここで撮影なんだ、まったく。
………っていうか
貴也がマンションに戻ろうっていったり
服をわざわざ揃えたのは
このためだったってことか…なんだそれ…