居場所をください。
「おかえり~」
………え、なんなの?この状況。
あれ?ここ私たちの部屋だよね?
どうしてこんなにも人が…
「美鈴、中はいんねーの?」
そういって後ろからきた貴也は
この状況に驚かずにリビングへ入った。
「………え、え?」
どうしてこの人はこんなに冷静なの?
どうして…
「美鈴も早く中入りなよ~。」
そうやって私にいうのは
仕事モードな隼也。
そしてこちらに向かれたカメラ。
「え…ちょ、待って…
え、なに?」
意味がわからないんだけど…
「仕方ない、説明をしよう。」
仕方ない。じゃないわ!!
人んちでなんでお前は
そんなにくつろいでるんだ!!
「テープチェンジしまーす!」
そんな声が飛ぶとすぐに私のそばに
佐藤さんが近づいてきた。
「え!佐藤さんまでどうして…」
「あはは、ごめんね。
突然のお仕事で。」
「意味不明なんだけど…なんの撮影?
私?貴也?どっち?」
「ん?両方だよ、もちろん」
「でも鍵は?」
「それは貴也から預かってたの。
貴也には言ってあったんだけど
美鈴ちゃんにはいうの忘れてて。
そしたら貴也がドッキリ的なほうが
いつもと違う顔撮れそうで面白そう
とか言ったから、黙ってたの。」
面白そうって……
おかげでかなり戸惑った顔撮れたよ!
ったく、私をなんだと思ってるんだ!!