居場所をください。



それから散々打ち合わせをして

ここの演出は…なんてことを

長曽我部さんと相談して

今日の仕事が終わる頃には

22時を過ぎていた。


「今日はそろそろ帰りたいです。」


私の切実な願いを

長曽我部さんが聞きいれたんだ。


「んー、とね

じゃあ美鈴ちゃんこれアンケートね。」


………なんだ、この量。


「5番組分あるから。

それぞれ期日を上にかいてあるから

それまでに持ってきてね。」


………ベスト発売するから?

テレビいっぱい出るってことですかね…


まぁ…長曽我部さんと違って

余裕もって渡してくれるのは

すごくありがたいんだけどさ。


「にしても量…」


とぺらぺらとアンケートをめくっていくと

中には一枚のメモ。


"明日MV作業を終わらせよう"と。


明日…朝から撮影だったよね?

そのあとはまたライブの練習で…

………また夜ですかね、これは。


「…わかりました。

じゃあなるべく早く書いて持ってきます。

はぁー、眠い…」


お腹すいた………


「じゃあ帰るか。」


「うん。」


私は荷物をまとめて

まだ残る佐藤さんやバンドメンバーに頭を下げ

長曽我部さんと先にここを出た。



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