居場所をください。



そして夕方まで私はライブの練習や

長曽我部さんと打ち合わせをして

少しだけまた完成に近づいたところで

今日は先に帰った。


初めて、施設の人と待ち合わせというものをした。

施設を出たら会うことがなくなることが

ほとんどだから、待ち合わせというのは

本当に初めてだった。


━━と、言うわけで


「よし、行くよ!」


「なんで俺まで…」


私は不貞腐れていた貴也の機嫌も無視して

夜は空きだという彼氏を初めて、

施設まで連れてきた。


「だいたいさ

私の育ての親はここにいるんだから

もっと早く挨拶に来るべきだったんだよ。」


「……まぁそうかもだけど。」


とりあえず不貞腐れの貴也さんだけど

そんなことはいちいち気にしてられない。

どうせ玲音くんという私の初恋の人に会って

私が玲音くんの連絡先を欲しがったから

それで機嫌が悪いんだろうけどさ。


「ただいまー!」


ま、そういうときはどうしたって

納得のいく答えを貴也は出せないから

一緒に来て、見てもらうのが一番なんだ。


「あ、美鈴ちゃんおかえ、り……

………えぇぇぇ!?」


最初に出てきてくれたのは栞奈で

栞奈は機嫌の悪い貴也を見て

とりあえず驚いている。



< 4,011 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop