居場所をください。
そして夕方まで私はライブの練習や
長曽我部さんと打ち合わせをして
少しだけまた完成に近づいたところで
今日は先に帰った。
初めて、施設の人と待ち合わせというものをした。
施設を出たら会うことがなくなることが
ほとんどだから、待ち合わせというのは
本当に初めてだった。
━━と、言うわけで
「よし、行くよ!」
「なんで俺まで…」
私は不貞腐れていた貴也の機嫌も無視して
夜は空きだという彼氏を初めて、
施設まで連れてきた。
「だいたいさ
私の育ての親はここにいるんだから
もっと早く挨拶に来るべきだったんだよ。」
「……まぁそうかもだけど。」
とりあえず不貞腐れの貴也さんだけど
そんなことはいちいち気にしてられない。
どうせ玲音くんという私の初恋の人に会って
私が玲音くんの連絡先を欲しがったから
それで機嫌が悪いんだろうけどさ。
「ただいまー!」
ま、そういうときはどうしたって
納得のいく答えを貴也は出せないから
一緒に来て、見てもらうのが一番なんだ。
「あ、美鈴ちゃんおかえ、り……
………えぇぇぇ!?」
最初に出てきてくれたのは栞奈で
栞奈は機嫌の悪い貴也を見て
とりあえず驚いている。