居場所をください。



ハンドベルの演奏をしながら

歩いてステージに出てきた。

かと思えば反対側ならピアノが加わり

しばらくして、バイオリンが加わった。


それは、一高文化祭で聴いたような

アメイジンググレイスだった。


長曽我部さんに扮する貴也に

なぜかこのタイミングで出てくる凛音ちゃん

そして私の誘いは断っておきながら

私のステージに立つ高橋。


なんか知らないけど

いつの間にか大好きな人たちで

私は囲まれていた。


だけどもうそれどころじゃない。

意味がわからなくて。

私が一番理解できていないと思う。


これはいったいどういう状況?


……かと思えば、

演奏途中、長曽我部さんに扮した貴也は

本当に長曽我部さんに代わった。


あ、そういえば髪の毛の色

長曽我部さんと一緒なのか……

ということは私も…無意識…

……いや、あの美容師にやられたか。

って、そんなこと考えてる場合じゃない。

なんなの?この状況は。本当に。


でも、貴也がだて眼鏡をはずして

私の前に立つと、

ピタリと演奏は止まった。


「……ちょ、待って…

私だけまったく理解できてないんだけど…」


私がそういうと

貴也が微笑みながら口を開いた。


「美鈴のお母さんが病院で

美鈴の心音を確認して、おめでたです

って言われた日

病院ではハンドベル隊が讃美歌を演奏していて

神様に祝福してもらったみたいだったって?」


「え?」


どうしてそれを貴也が…

……長曽我部さんか…


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