居場所をください。
「……………すっごい可愛かった。綺麗だった。
あれで30代?恐ろしいんだけど。綺麗すぎて。」
「あの人は今女性アーティストのトップだからな。
越える勢いで頑張れよ。」
「えぇ!そんなおこがましい。」
「あの人も20代の頃はひとつの時代を作り上げた。
目標にしろよ。」
「………はーい。」
ものすごい高いハードルですね、それ。
そして私たちは楽屋に戻った。
「……………ねぇ、これつけていい?」
それは私のお母さんが私と一緒に置いていった
キラキラなネックレス。
宝石なのか、ただのガラスなのか
子供の私にはわからないけど
これを見たらお母さんは気づいてくれるかもしれない。
この衣装になら、このネックレスは合うから。
「それ、どうした?」
「この前施設のママから渡された。
私の本当の親が置いていった物なの。」
「へぇ…。いいよ、つけても。」
「ありがと。」
私はずっしり重い、きれいな石がたくさんついた
大きなネックレスをつけた。