居場所をください。



『あいつが変わらずいてくれるから

私も変わらずここにいられるって感じ。

長曽我部さんとか佐藤さんとか

貴也とか隼也とか大事な人はたくさんいるけど

私のひどい時期からちゃんと私を見てくれてたのは

高橋だけだからさ。

だからやっぱり私の中の高橋は特別で

長曽我部さんもそれを知っていたから

高橋を選んだんじゃないかな、と思ってる。


……ね!高橋!』


いや、だから…こっち見んなって……

……でも、俺ってちゃんと美鈴の役に立ててたんだな。

俺なんかでも、な。


『美鈴ちゃんは高橋くんの事も

だいすきだもんなー。』


『そうだよ、だいすきだよ。』


いや、笑ってんじゃん。

本当かよ、ったく……


『でも高橋は大学の友達とか

彼女との時間が多いから

最近は仕事以外会うこと全然ないんだよね。

もう19歳だし…これからどんどん

会う時間なくなりそうだよー。』


え…いや、俺のせい?

違うよな?美鈴が忙しいからだろ。

どんどん離れていってるのは

美鈴の方だよ。



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