居場所をください。
それから俺は連絡網を回し、
翌々日、車で彼女のさゆを拾って
ついでに裕太も拾って
近い海へと向かった。裕太と約束通り。
「っていうかなんでいきなり海?
来週みんなで行く約束してなかった?」
「裕太が海行くっていうからさ」
「へー、裕太くんも好きだね。」
「待ちに待った夏だしな!」
なんだそれ、どういう理屈だよ。
「あ、瑠樹!海だよ、海!」
「なんだかんださゆも楽しみなんじゃん。」
「まー、今年初だしね?」
まぁ俺もそうなんだけどさ、実際。
ぜんっぜん人のことは言えない。
「さーて、ついたついた。」
夏休み直前の平日
それでも人はそれなりにいた。
……ま、夏休みの半分くらいだけど。
「運転ありがとな!」
「おう。」