婚約者は高校生

「あ、あの…すみません、おやすみ中でしたか?」



「…ああ。なんでここがわかった?」



住所どころか連絡先さえ教えていないはずなのに。



「会長さんにお聞きしました」



…お祖父様め。
見合い相手とはいえ、住所を教えるとはどういうことだ。

……いや、これは自業自得なのか?

確かに…彼女の強い瞳と「結婚してください」という言葉の裏にある理由を知りたいと思った。
少しだけだけどな。

だから、すぐに断りの電話を入れなかった…というより、あの後急ぎの仕事があって電話するのを忘れていたんだ。

これでは一応付き合う意志があるとみられても当然か。


ええと…で、なんで彼女はここにいるんだ?


寝不足と今まで溜まったストレスが相まって頭が痛い。



「そう。…で、何か用?」



不機嫌さが表に出てしまったのか俺の口から意外なほど冷たい声が出た。

まあいい。
どうせ断るつもりだったんだ。多少印象が悪くてもかまわない。

それに一人ぐらい冷たくあしらったところで評判が落ちるほど俺の外面づくりは甘くない。

大概冷たくあしらわれた場合、普通ならショックを受けて立ち尽くすか、謝るか、泣くかするはずなんだが…。


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