婚約者は高校生
子供でも一応は社長令嬢。
見合い相手といえど、婚約したわけでもない女の子を部屋に入れるわけにはいかず、俺は近くのカフェに彼女を連れてきた。
ま、誰であっても女を部屋に入れるつもりは最初からない。
「それで、話っていうのは何?」
頼んだ飲み物が到着するのを待ってから俺は口を開いた。
「はい。多賀さんと結婚する理由についてです」
「…ちょっと待て。俺は結婚を了承した覚えはない」
「あ、すみません。正確には期間限定で婚約者になっていただきたいんです」
「…期間限定?」
「はい。私が高校を卒業するまでの1年間、婚約者になってください」
期間限定で婚約者、だと?
なんでそんな面倒なことをしなきゃならないんだ。
しかも彼女が婚約者となればこちらも迂闊なことはできない。
普通の相手ならいざ知らず、目の前に座っているのは社長令嬢なのだ。
私情を挟むとは思えないが、仮に他の女性と付き合ったりしようものなら、仕事に差し支える可能性がないとはいえない。
まあ…今のところ誰とも付き合う気はないが、な。