婚約者は高校生


なっ…不要、だと!?
俺の完璧な笑顔がいらないというのか。

なぜだ。
女ってのは、優しくて、いつでもにこやかに対応してくれる男に好感を持つものではないのか?

現に今までの女性たちはそんな俺を気に入っていたし、今でも…会社の女性たちはそんな俺に好感を抱いていることは間違いない。


それなのに…――。



彼女から衝撃的な言葉を浴びせられてから1時間後。
俺は居酒屋にいた。

俺はテーブルに肘をつき、目の前に運ばれてきたビールを眺める。

その向こうには可笑しそうに笑う女の姿。



「へぇ~、亮介にそんなこと言う女の子がいるなんてね~」



俺と向かい合うように座っているのは仮名春香(カリナ ハルカ)。

大学時代からの友人であり、さらに春香がメイクアップアーティストであるため、仕事で顔を合わせる機会は多い。

だから特別会いたいわけでもなかったのだが…俺は瀬野尾姫紀の言葉に思ったよりもショックを受けていたらしい。

彼女を送り届けた後にかかってきた『飲みにいかない?』という電話についOKを出してしまった。

いつもと違う俺に気付いたのだろう。春香は会うなり楽しげに俺に何があったのか言葉巧みに聞き出したのだ。


< 51 / 103 >

この作品をシェア

pagetop