婚約者は高校生

それにどちらかというと、春香は姿は女だが中身は男に近い。

性格はサバサバしているし、女の子が大好きだ。
ま、好きといってもペットを溺愛する飼い主みたいな感じだけどな。


そんな春香とどうこうなるわけないんだがな…



「…はぁ。まさかそんなことになってるとは…」



「そんなことになってる、って…」



頭を押さえながらため息交じりに呟いた言葉を瀬野尾姫紀は聞き逃さなかったらしい。



「噂の女性は彼女ではないんですか?」



気づいたか。
まあ、いい。いないことがバレたからといって別段困るわけでもない。



「ああ、そんな人はいないな。だが、彼女がいたと思わせておいたほうが良かったかもな」



「どうしてですか?」



「見ての通り俺は忙しい。恋愛事に時間をとりわける暇などないんだ。そんな時間があるならまず睡眠を優先する」



「……。つまり、周りで勝手に騒がれるのはかまわないけど言い寄られたくはない…ということですか」



「端的に言えばそういうことだ」



「そうですか。それなら私でもお役に立てそうです」
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