婚約者は高校生
は?
役に立てる?
高校生がどう役に立てるというんだ。
怪訝な顔をする俺に対して彼女はニッと口の端を上げてわずかに微笑んだ。
「これで多賀さんの条件を満たすことができます」
「はぁ?どういう…」
意味だ、と言いかけたところで、
「あの…部長」
横から声がかかった。
俺は即座に仕事用の顔をつくり、声のした方に目を向けた。
そこにいたのは今日、俺に何か言いたげだった女子社員。
なにやらうつむき加減で自信なさげに立っていた。
「何かありましたか」
声をかけると、女子社員は意を決したように顔を上げた。
「あの…少しお聞きしたいことがあるのですが」
聞きたいこと?
そんなに必死な顔をして…仕事の話か?何かやらかしたのか?
そうだったら間違いなく俺は残業決定だ。
できるなら聞きたくないが、それはできないだろうな。
………はぁ。
こういう場合は頭ごなしに「何をした」と言うんじゃなく、優しく促すように聞いてやらなければいけない。
ことの経緯を正しく聞くためにも大事だ。
俺は笑顔を張り付け、女子社員に向き直る。