婚約者は高校生
「確かにそうだが…」
まだ婚約者ではない、と言うよりも早く瀬野尾姫紀は俺の腕をつかむとエントランスの出口に向かって歩き始めた。
「お、おい」
ぐいぐいと俺を引っ張る瀬野尾姫紀に目を向けると、彼女は「少し黙っててください」と言うように人差し指を口に当てる仕草をした。
「お伝えしたいのはそれだけです。では失礼します」
呆然とたたずむ女子社員に軽く会釈をすると、彼女は俺を押し出すようにしてエントランスを後にした。