婚約者は高校生
「さっきのはどういうつもりで言ったんだ」
車に乗るなり彼女を問い詰めると、彼女はなにくわぬ顔で俺を見上げた。
「多賀さんが仕事に集中できるようにしたつもりです」
は?
あの爆弾発言で仕事に集中できると思うのか。
婚約者がいる、という話は明日には瞬く間に社内に広がるだろう。
周りが騒がしくなるのは確実だ。
「…というか、誰が婚約者だっていうんだ」
「もちろん、私のつもりですが」
ため息をつきながら頭を押さえる俺を前に彼女はけろりとした顔で答えた。
「へえ。そういえば、さっき条件を満たせるとか言ってたよな」
「はい」
「ならば聞こうじゃないか。どんなことで役に立てるというんだ?」