婚約者は高校生
「多賀さんは周りで騒がれるのは構わないけど、言い寄られたくはない。恋愛事に時間を割くよりも寝たいと言いましたよね」
「ああ、そうだな」
「ですから、私が虫除けになります。多賀さんの睡眠を守ってみせます!!」
………………はい?
ぐっとこぶしを握りしめ、自信ありげにこちらを見つめてくる彼女に一瞬目が点になった。
ええと、今なんていったっけ?
守るって…?
改めて頭の中で彼女が言った言葉を思い浮かべると思わず笑いが込み上げてきた。
「ふっ…ははっ!!虫除けって!!しかも俺の睡眠を守るために?」
「え…、まぁ…そうですけど…」
俺を見る彼女の頬が次第に赤くなっていく。
変なことを言ってしまった、とでも思っているんだろう。
「ははっ、なるほど。だから婚約者がいると言ったのか」
笑いが止まらず肩を震わせている俺を前に彼女は居心地が悪そうに下を向き、「はい」と小さく答えた。
確かに婚約者がいれば女性から誘われることは少なくなるだろう。
勝手に婚約者がいることにしたのは気に入らないが、まさかそれが俺の睡眠を守るためだったとは。
…なかなか面白い。