婚約者は高校生
「多賀さん、お待たせしました」



聞き覚えのある声に顔あげると、待ち合わせていた相手がそこにいた。

デートと言うだけあって一応それなりに可愛くしているが、やはり高校生だ。
脚はともかく、大人の色気には程遠い。

色気は置いといて、彼女が来たことによってようやく女の子に囲まれた状態から抜け出せる。


俺は周りに立つ子たちに会社用の笑顔を向けた。



「誘いは嬉しいけど、連れが来たから」



大抵の女性はそう言うとあっさり引き下がることが多いのだが、どうやらこの女の子たちはそうではないらしい。

少しばかり頬を紅潮させながら力強く俺に迫ってくる。



「妹さんですか?なら、一緒に行きましょうよ」

「いても全然かまいませんから。気にしないでください」



いやいや、その返しはなんかおかしくないか?
なんで一緒に行くことになるんだよ。

それに瀬野尾姫紀は「多賀さん」って呼んだだろ?
なんで妹になるんだよ。


「いや、この子は…」



半ば呆れながら妹ではないことを伝えようとすると、今まで女の子たちから一歩引いて見ていた彼女がグイッと俺の腕を掴んできた。
反射的に掴まれた腕を見下ろすと、すがるように見つめる彼女と目があった。

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