婚約者は高校生
まあ…袖をつかむくらい別に悪くはない。

恋人の距離感はこのくらいが普通だ。
むしろ、肩を抱き寄せてもっと密着させてもいいくらいだ。

デートというならそうしてみてもいいかもしれない。


…なんてな。
まさかちびっこたちのいる昼間っからそんなことするはずない。

まあ、そうした時どうするのか彼女の反応は見てみたい気もするけどな。

それはさておき、これからどうするか。

水族館だけでは一日もちそうにはないし、とりあえずミュージアムショップにでも寄るか。

女は記念品が好きだし、お揃いはゴメンだが初デート記念に何か買ってやろう。

学生だからストラップか、ぬいぐるみくらいがちょうどいいか。


ふむ、と考えていると不思議そうにこちらを見上げている彼女と目があった。



「なんだ?」



「いえ。なにもそんな難しそうな顔して魚を眺めなくても、と思っただけです」



難しそうな顔?
そんな顔をしたつもりはないのだが…。



「いや、少し考え事をしていただけだ。それはそうと楽しめているのか」



ま、デートだっていうのに話もせず考え事をしている男といても楽しいわけがない。



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