婚約者は高校生
女性に優しくするのも気遣いをするのもすべては計算ずく。

こんな俺を知ったら当然女性は離れていくだろう。

だからそれを見せないようにいつも務めてきた…が。
俺の本性を知っている彼女に今さら愛想笑いなどするつもりはないし、その必要性も感じない。

それに俺の笑顔などいらないと言ったのは彼女自身だ。


特に表情を変えることなく見下ろしていると、彼女は口角を上げてニコッと笑った。



「楽しいですよ」



「本当にそう思うのか」



「はい。だって、多賀さんが一緒ですしね」



俺と一緒だから楽しい?

………わからん。
何も話さない男と一緒にいるだけで楽しめるとは到底思えないんだが。


彼女は首を傾げている俺を見て楽しげに小さく笑ってから水槽を見上げた。


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