婚約者は高校生
「多賀さん、それください」


「それ?」


「ぬいぐるみです。それは私が買います」



彼女が発した言葉は別のコーナーが見たいというものではなかった。



「え?でも、欲しいんだろう?」



一応デート記念に何か買ってやったほうが、付き合っているアピールをするのに効果的だろう。
…というか、仮とはいえ婚約者とデートしてるというのに、何も買わなかったとお祖父さまに知れたら面倒この上ないというのに…。



「いえ、それは私が自分で買いたいんです」



彼女は頑としてそれを譲らなかった。
結局俺は根負けし、別のものを買ったわけだが…




……まさか、こんなことになろうとは。
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